辻埜匠(馗野匠)(ΤαQυμι ΤυΖινο -- personale, famiglia)
生きていく上で心の平和(pax cordis/inner peace)と尊厳 (dignit\=as/dignity)は,不可欠(necessarius/essential)である.
人は,それらが欠けていたり見失ったりした時に,面倒なことになったり,つ らい思いをする.心の平和と尊厳を獲得するためには,人の心を深く理解する 必要がある.
たとへば,怒りや鬱(ウツ)は人生を辛くする最たるものだが,それらは方 向性が反対なだけで,同じ原因をもつ現象であることはあまり知られていない. どちらも,心のうちなるエネルギーを生産的な方向に発揮できていないのは同 じであって,片方は破壊が外世界に向い,もう片方は破壊が自分に向う.
我々はあまりにも自分たちの心に対して無頓着で無知である.上の例をもっ てみても,どうしてエネルギーが破壊に向うのか,何によって破壊の方向が内 側になるか外側になるのか決まるのか,わかっていないことに気がつく.もし, それがわかったとしても,今自分は何をすべきだろうか?それらについて悟り を得ているだろうか?
悟りというのはおそらく日々の修養と探究である.このように人生という のは自己修養と探究の旅のやうなものである.それは自分を知り人を知り,他 者を思いやることである.本項は,私のその過程の中で読んで書籍をしつこく 紹介することによって,心の平和と尊厳を求める人への一助としたい.
ウツの人のための本というより,ウツになった人と親しい人のための本で あるが,書かれていることは人間関係全般に通じる.