日本語版 草思社 ISBN:4794211325
生きていくには図太い神経が必要だと感じたことはないだろうか. さう思ふのはたいてい,さうではない時である.心が傷ついている時である. さういふ時に参考になるかと思ひ,かかる書を要約・抜粋・紹介する.
要約
"抜粋"
ここから.
誰にもやはらかで感じやすい部分がある.心の中にあるこの極め て敏感な部分こそが創造性豊かで人に感銘をあたへることのできる部分である.
繊細な感性を傷つけるあらゆる外敵から魂を護る必要がある.そうでない と創造性を確保できない.いはば,幼子のようなものだ.この世で生きていく ためには是非とも強い守護者が必要である.
低い自尊心と内的批判者.
"自分のことを信じていない人を屈伏させるのはわけないことだ."
だから逆に,図太くなるには,
なにより先に自分に疑いをもつのをやめることだ.決して自分を軽視しないことだ 自分を卑下するのをやめやう.
天は自ら侮るものを侮る,といふ.
"あなたはどんな容姿をしていやうと,どんなことをしていやうと,それがあなたを責める理由にはならない."
とにかく,
自信のなさが丸見えだと相手にとってあなたを圧倒するのはいとも容易いことだ.
では,どうしたら自分を卑下することを辞めることができるのか?
"内なる批判者をみつけだし,それを抑えこめば,卑下はやめられる."
では,どうしたら内なる批判者を見つけれることができるのか.
"内なる批判者はたいてい隠れ蓑を着ている."
それは客観的といふ名前で偽装している.
批判者は独特の響き,天が真理を告げるような調子でお説教する.しかも 自分だけが賢者であるかのような口調なので,適当にあしらうことは容易ではない.
そして
批判者はとてつもなく大きく強いかもしれません.それでもそれはあなた の人格のほんの一部でしかない.
最終的な発言権はあなたにある.
なにか危険をともなうことに挑戦しやうとすると,内なる批判者は活気づき,批判を開始する.そういう時に,自分の頭の中でどんなことが思い浮ぶかよく観察すること.
あたなの内なる批判者の手練手管を暴きだせ.どんな思ひがあなたを不安にしますか?
興奮したり混乱した時も冷静でいるためには.
話が不愉快な方向に向い出したら
人にあやつられないためには
相手の圧力をなんなく跳ね返すには.
横柄な人に接して嫌な気分になったことはないだらうか?
"横柄さの裏にはたいてい劣等感が潜んでいる"ことを知れ.
"横柄な人を教育しなおしたり,改めさせたりするのは不可能"であっても,そういう人を接しても快活な気分でいたいと思ふのは誰しもであらう.そのためには,
他人に対して心を開くだけでなく,時にはシャッターを閉めることも身につけておくべきだ.
しかし,シャッターを閉めるのが時にむつかしい場合もある.
相手に理解を示しても,相手の云いなりになる必要はない.
相手は涙で脅迫してくることすらあるが,
情に流される時,人はある種の責任感でそうなってしまうのだが, そんな責任感など嘘っぱちでしかない
それは
誰でも心に傷つきやすい部分がある.そこを直接たたかれると,うろたえたり,興奮して過剰な反応をしてしまう.ためである.
人によって,傷つきやすい部分は異なる.泣き落しに弱い人がいれば,大 声でわめかれることに弱い人もいる.だから,自分がなにに弱いかを日頃から よく観察しておくべきだ.たいがい,
"私たちは他人の中に自分自身の好きなところと嫌いなところを見ている"
不愉快な態度で心が傷つくことのない方法がある.それを身につけると, そういったことに拒絶反応が起こすのではなく,いはば上から見下ろすように 超然を構えていることができる.それにはたいへんなパワーが必要だと思ふ人 もいるかもしれないが,一切はずっと簡単で,図太い神経があればよい.それを身につけるためには,
1 "非人情の状態に心を移しかえて相手と距離を置く"
2 "心の防御楯を築きあげる."
3 "相手になるのをやめて反応を遅らせる."
相手がどんなに変な態度をとらうと,そんなことはだうでもよいのです. あなたがあわてず落ちついてさへいれば,それでいいのです.
この3つの方法はストレスを軽減し,冷静になせ,全体を見通せることでき,プレッシャーに負けず,自分のペースを維持でき,主導権を握ることができる.
心を開いた状態と閉じた状態を意識する.
この切り換えがうまくできる,どちらか一方の状態にのめりこんで,そこ に捕われてしまうことがある.うまくシャッターを閉めるには,思ったらすぐ に非人情の状態に切り換えられるようにすることだ.
非人情は拒絶的で無愛想な態度と同じではない.非人情といふのは扉を閉 めることであって,相手とケンカしたり攻撃することではない.
"それは打ち寄せる荒波にもビクともしない岩山のようだ"
そして,
非人情になるのは,家のドアを閉めるくらい雑作もないことだ
混乱した時に落着きを取り戻すための3つのアドバイス
"個人的な感情を取り払い,徹底的に心を休めること."
"ちょっとの間,冷静に考へて一番大事なことを片付ける."
"他人はパニックに陥いっていたり途方に暮れていたり,怒り狂っているときには,彼らの気を静めて,距離を置く."
人の気持をほんとうに正しく組み摂るには冷淡さの加減ができることも必要だ. そうでないと,相手は金鉱を掘り当てたように,あなたの善意をむさぼるだらう.
"他人の感情に思い入れするなら,「それは私には関係ない」とはっきり云ふことも大事だ."
"他人の気分や感情が自分とはなんの関係もないのだと決めてしまえば,それでOKなのだ."
非人情になるにはトレーニングが必要かもしれない.