辻匠(ΤαQυμι ΤυΖινο)
Oxford Univ. の紋章(coat of arms)にはモットーが認められてをり, 開いた本の上に
DOMI | MINA |
NVS | TIO |
ILLV | MEA |
DOMINIA NVSTIO ILLVMEAと読める.これはラテン語である1.ラテン語ではもとも と母音のUと子音のVを書きわけず,どちらも同じように書いた.また,大文字 しかなかった.UとV (ついでにいへばIとJ)の書き分けや小文字で書くラテン 語(こちらのほうが中世以降は一般的である)で書きなおすと,
domimina nustio illumeaとなる.これはなんといふ意味であろうか? 初級ラテン語学習者の筆者には 難しかったが,ふと,勘違いをしてゐることに気がついた.
これを見開きページと見て(下記),
DOMI | MINA |
NVS | TIO |
ILLV | MEA |
DOMINIA NVSTIO ILLVMEAとなるが,さうではなくて,
DOMI | MINA | |
NVS | TIO | |
ILLV | MEA |
DOMINVS ILLVMINATIO MEAとなる.書きなおすと,
dominus illuminatio mea.これはよく知られたモットーのひとつで「神は我が光」(The lord is my light. 直訳?ではThe lord is the illumination of me.)となる.
余談:モットーなんだから,DOMIと來た瞬間,dominusを想定すべきだった (実際に,dominusだと思った)が,domiminaといふちょっと違う言葉(意味は妻) だったので,あらぬ方向(しいて云へばフランス方向?)に解釈してしまった.