平成小学 外編

外編では老荘から採取した。

其の光を和^やはらげ、其の塵^ちりに同^おなじくす。 [老子] _和光同塵

五色^ごしきは人の目をして盲ならしむ。
五音^ごいんは人の耳をして聾^ろうならしむ。 五味^ごみは人の口をして爽^たがはしむ。[老子]

馳騁畋猟^{ちていでんりょう}_{ゲームに興じること}は、人の心をして発狂^{はっきょう}せしむ。 得難^えがたきの貨^かは、人の行ひをして妨^さまたげしむ [老子]

上善は水の如し。[老子]

太上^{たいじょう}は 下これ有るを知る[老子]

大道^たいどう廃^すたれて仁義^じんぎあり[老子]

知恵^ちえ出でて大偽^たいぎ_おほうそあり[老子]

六親^ろく和^わせずして孝慈^こうじあり。[老子]

国家昏乱^こんらん_混乱して 貞臣^ていしんあり。[老子]

学を絶^たてば憂^うれい無し。[老子]

少なければ則^すなはち得、多ければ則ち惑^まどふ[老子]

跂^つまだつ者は立たず、跨^またぐ者は行かず。[老子]

自ら見^あらはす者は明らかならず、 自ら是^よしとする者は彰^あらはれず。 自ら伐^ほこる者は功なく、 自ら矜^ほこる者は長^ひさしからず。[老子]

善行^ぜんこうは 轍迹^てっせきなし[老子]

不善人は善人の資^もとでなり[老子]

佳兵は不詳^ふしょうの器^うつわ 物^もの之を悪^にくむ[老子]

戦ひに勝つも喪礼を以て之に処す[老子]

人を知る者は智、自ら知る者は明[老子]

人に勝つ者は力あり、自ら勝つ者は強し。 足るを知る者は富む[老子]

死して亡^ほろびざる者は寿[老子]

柔よく剛を制す[老子]

上徳は徳とせず、ここを以って徳あり[老子]

数輿^すうよを致^いたさんとすれば輿^よなし[老子]

大器は晩成^ばんせいす。 大音は声^こえ_聲^こゑ 希^まれなり。大象^{たいしょう}は形^かたち無し。[老子]

強梁^{きょうりょう}なる者はその死を得ず _{強さを誇る人は自分が破滅することがわからない}[老子]

多く蔵^ぞうすれば必ず厚^あつく亡^ほろぶ[老子]

大功^たいこうは拙^つたなきが若^ごとく、 大弁^たいべんは訥^とつなるが若し。[老子]

戸を出^いでずして天下を知り、 牖^まどを闚^うかがはずして天道を見る。[老子]

学を為^なせば日々に益^まし、道を為せば日々に損^そんす。[老子]

善なる者は吾れこれを善しとし、不善なる者も吾れまたこれを善とす、徳 善なればなり。[老子]

知る者は言はず、言ふ者は知らず[老子]

天下に忌諱^きき_禁止多くして、民弥々^いよいよ貧^まづし。[老子]

民に利器多くして、国家滋々^ますます昏^みだる。[老子]

禍^かは福^ふくの倚^よる所、 福は禍^わざわひの伏^ふくす所。[老子]

大国を治むるは、小鮮^{しょうせん}を烹^にるが若^ごとし。[老子]

怨^うらみに報^むくゆるに徳をもってす[老子]

怨みに報ゆるに直^ちょくをもってす[論語] (直と徳は矛盾しない)

九層の台^うてなも累土^るいどより起これり、 千里の行も足下^そっかより始まる。[老子]

難^かたきを其^その易^やすきに図^はかる。[老子]

軽諾^けいだく_{軽く，やると返事したところで}は必ず信^しん寡^すくなし[老子]

慈^じなるが故に能^よく勇なり [老子] _{やさしい人だからこそ勇気がある}

善^よく人を用^もちゐる者は これが下^したと為^なる。[老子]

天網^てんもうは恢恢^かいかい 疎^そにして漏^もらさず[老子]

信言は美ならず、美言は信ならず[老子]

善なる者は弁^べんぜず、弁ずる者は善ならず。 [老子]

知る者は博^ひろからず、博き者は知らず。[老子]

人は皆、有用の用を知るも、無用の用を知らず。[荘子]

良賈^りょうこは深く蔵して虚しきが如く。 君子は盛徳^せいとくありて容貌^ようぼう愚^ぐなるが如し[荘子]

物は彼^かれに非^あらざるは無^なく、 物は是^これに非ざるはなし。 彼よりすれば則ち見えざるも、自^みづから知れば則ち之を知る。 故に曰^いはく、 「彼は是より出で、是れも亦^また彼に因^よる」と。 彼と是れと方^ならび生^しょうずるの説^せつなり。 然^しかりと雖^いへも、 方^ならび生じ方び死し、方び死し方び生ず。 方^ならび可にして方び不可、方び不可にして方び可なり。 是^ぜに因^より非^ひに因り、 非に因り是に因る。 是^これを以て聖人は、由^よらずして之を天に照^てらす。 亦^また是^ぜに因るなり。 是^こてもまた彼なり、彼もまた是れなり、 彼もまた一是非^いちぜひ、 此れもまた一是非なり。 果^はたして且^そも彼是ありや、 果して且^そも彼是なきや。 彼と是と其の偶を得る莫^なき、 之を道樞^どうすうと謂^いふ。 樞^すうにして始めて其の環中^{かんちゅう}を得て、 以て無窮^むきゅうに応^おう_應。 是^ぜもまた一無窮^{いちむきゅう}、 非^ひもまた一無窮なり。 故^ゆゑに曰^いはく 明を以てするに若^しくは莫^なし。[荘子]