平成小学

「小学」とは宋代の学童教育用の漢籍である。平成小学はその趣旨を汲んで新たに漢籍から名言を抜粋したものである。論語からの採取で本編を始める。

まなびて時ときに之これを習ならふ。 亦またよろこばしからずや。

巧言令色こうげんれいしょく、鮮すくなし仁。

ことを 敬けいして信しんあり

あやまちては則すなはち 改あらたむるに憚はばかるること勿なか

学びて思おもはざれば 則すなはち罔くらし、
思ひて学ばざれば則ち殆あやふし

これを知るを之を知ると為し、 知らざるを知らざると為す。是これれ知るなり

を見てせざるは勇ゆうきなり

まつること在いますが如ごとくし、 神を祭ること神在すが如くす。

既往きおうは咎とがめず

仁者じんしゃは能く人を好このみ、 能く人を悪にく

君子くんしは義に喩さとり、 小人しょうじんは利に喩る。

とくは孤ならず、 必かならず隣となりり。

いかりを遷うつさず、 過あやまちを二ふたたびせず。

ちかららざるなり。 子いはく、 力足らざる者ものは中途ちゅうとにして廃む、 今いまなんぢは画かぎれり。

之を知る者ものは之を好このむ者に如かず。 之を好む者は之を楽たのしむ者に如かず。

人の生けるや直なおければなり。 これ罔くして生けるは、幸さいはひにして免まぬがるるなり。

鬼神きしんを敬けいしてこれを遠とおざく、 知と謂ふべし。

仁者じんしゃは難かたきを先さきにして 獲るを後のちにす。仁と謂ふべし。

知者は水を楽しみ仁者は山を楽しむ

知者は動うごき、仁者は静しずかなり。

知者は楽しみ、仁者は寿いのちながし。

おのれたんと欲して人を立つ

ふんせざれば啓けいせず。 悱せざれば発はっせず。 一隅いちぐうを挙げて 三隅を以て反かへらざれば、則ち復ふくせざるなり。

楽しみ亦その中にあり。

きょうにして礼れいなければ 則すなはち労ろうす。 慎しんにして礼なければ則ち葸す。 勇にして礼なければ則ち乱みだる。 直ちょくにして礼なければ則ち絞こうす。

学は及およばざるが如ごとくするも、 猶お これを失うしなはんことを恐おそる。

なく、必ひつなく、固なく、我なし。 片意地でなく,強制はなく,頑固でなく,我利ではない

君子くんし之に居れば、何の陋ろうか之れ有らん。

後生畏おそるべし

匹夫ひっぷも志こころざしを奪うばふべからず

知者ちしゃは惑まどはず、 仁者じんしゃは憂うれえず、 勇者ゆうしゃは懼おそれず。

つに門もんに中ちゅうせず。 行くに閾しきいを履まず。

ぎたるは猶なおおよばざるが如ごと

ろんの篤あつきに是れ与くみすれば、 君子者くんししゃか、色荘者しきそうしゃか。

じんを為すは己おのれに由る。 人に由らんや。

礼に非あらざれば 視ること勿なかれ。

死生しっしょうめいに有り、 富貴ふうきてんに在

四海しかいの内うち、 皆みな兄弟けいていきょうだいなり

しんくば立たず

かならずや名を正たださん

小利しょうりを見れば、即ち大事だいじらず

君子は和して同どうぜず、小人は同じて和せず

君子は泰ゆたかにして驕おごららず、小人は驕りて泰ならず。

剛毅木訥ごうぎぼくとつ仁に近し

とく有る者は必かならずず言あり。 言有る者は必ずしも徳あらず。

仁者は必ず勇ゆうあり。勇者ゆうしゃ必ずしも仁あらず。

まずしくして怨うらむむ無きは難かたく、 富みて驕る無きは易やすし。

これを愛あいしては、能く労ろうせしむること 勿からんや。忠ちゅうならば、能く誨おしうること勿からんや 。

久要きゅうよう平生へいせいの言を忘わすれず

君子は上達じょうたつし 小人は下達かたつす。

いにしえの学者は己の為ためにし、 今の学者は人の為にす。

いつわりを逆むかえず、 不信ふしんを億おもんぱからず。

は其の力を称しょうせず、 其の徳とくを称す。

ともに言ふべくして之と 言はざれば、人を失ふ。 与に言ふべからずして之と言へば、 言を失ふ。

人 遠とおき慮おもんばかり無ければ、 必かならず近ちかき憂うれひ有

君子は言げんを以もって人を挙げず。 人を以て言を廃はいせず

おのれの欲ほっせざる所ところ 人に施ほどこすこと勿なか

人 能く道を弘ひろむ。 道、人を弘むに非あらず。

あやまちて改あらためめざる、是これを過ちと謂ふ

ことばは達たっするのみ。

君子は夫の之を欲すと曰ふを舍きて 必ず之が辞を為るを疾にくむ。

げんいまだ之これに及およばずして言ふ、 之を躁さうと謂ふ。 言之に及びて言わざる、之を隠いんと謂ふ。 未だ顔色かおいろがんしょくを見ずして言ふ、 之を瞽と謂ふ。

不善ふぜんを見ては湯を探さぐるが如ごとくす

にわとりを割くに 焉いづくんぞ牛刀ぎゅうとうを用もちゐん

きょうなれば則すなはちち侮あなどられず

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といふことです.